べらぼう 瀬川花魁、誰袖花魁、花魁って何?

遊女

弥次さん喜多さん「ゆっくり解説」シリーズ 4

「こんにちは弥次郎兵衛だよ。」

「喜多八だぜ!」

今回は瀬川花魁、誰袖花魁など、花魁について解説していきます!

喜多さん、NHK大河ドラマべらぼうでは瀬川花魁、誰袖花魁などが活躍していたな。

ああ、そうだな。

喜多さんは本物の吉原の花魁に会ったことがあるかい?

いや、吉原か…冷やかしで見に行ったぐらいだぜ。

庶民にとっては目が飛び出るような値段だからね。

そもそも花魁って、どういう意味なんだい?

知ってるようで、意外にわからないよな。

今回は花魁について、ゆっくり説明していくよ!

大文字屋の誰袖花魁登場!

弥次さんは花魁について詳しいのかい?

いや、からっきしダメだ…

じゃあ、説明なんてできねえじゃねえか。

ということで、本日はスペシャルゲストを呼んだんだ。

ほー、一体誰だい?

大文字屋の誰袖花魁さ!

おっ、すげえゲストだな!

どうも、弥次さん喜多さん。誰袖でありんす。

今日は先生として色々教えてください。

はい、あちきのわかることでしたら、なんなりと。

それじゃあ、まず誰袖花魁のスリーサイズは?

それは秘密でありんす。

これ、喜多さん、真面目に!

へへ、冗談でありんす。

そもそも、花魁ってどういう意味なんだ?

花魁の語源でありんすか。

実はよくわからないみたいだね。

一説では禿(かむろ)や新造(しんぞう)が姉女郎を「おいらん」と呼んだことからきていると聞いたよ。

なんで、禿や新造は「おいらん」と呼んだんだい。

「おいらのところの姉さん」と言ったという説もありんす。

なるほど。

お、禿や新造が出てきたんで、それについて一応説明を頼むよ。

わかったでありんす。

禿と新造

ちょいとこの絵を見なんし。

出典:ColBase(https://colbase.nich.go.jp/collection_items/tnm/A-10569-2584?locale=ja)

おっ、吉原の大門口だな!

5人の女の子がいるな。

鳥文斎栄之先生の絵だけど、真ん中の1番の番号が花魁なんだ。

その周りの4人は妹分だね

おっ、確かに花魁は一番、服装が豪華だな。

両脇にいる緑の服装の2番と3番の二人が妹分の振袖新造さ。

花魁になるための見習い女郎って感じかな?

それで、左下の4番と5番の二人が禿。

まだ女郎になってない子どもだよ。

花魁は禿や新造を経て、なっていくんでありんす。

花魁になるには小さい時から、しきたりや教養を身につけないといけないわけだな。

禿は大体、何歳ぐらいなんだい?

まあ、7~8歳ぐらいからかね。

じゃあ、新造はどうなんだい?

そうだね、16~17歳になると、女郎として正式にデビューするので、それまでの期間だね。

まあ、15歳前後かね。

この新造になるとき、「新造出し」と言ってお披露目をするんだ。

その費用は姉女郎が持つことになってんだ。

それにしても、10代半ばってずいぶんと若いな。

まあ、江戸時代の結婚適齢期は16~18歳と言われてるからな。

これぐらいの年齢からお客を取っていたのも仕方ないのかもしれねえな。

16~18歳か…晩婚化が進んだ今じゃ考えられねえな。

新造からのステップ

さっき、禿、新造を経て花魁になるって言ったけど、新造の後はどんな感じで進むんだい。

妹分って感じの振袖新造から、いよいよお客を取って一人前の女郎になっていくわけさ。

ふんふん、なるほど。

遊女にははっきりとした序列がありんす。

基本的には見習いの新造は自分の部屋を持てないんだ。

まだ半人前って感じなんだな。

その上に自分の部屋がある「部屋持ち」がいるんだ。

部屋は1部屋しかないので、自分が寝る部屋とお客を取る部屋が同じなんだ。

なるほど、ワンルームだな。

その上に「座敷持ち」がいる。

座敷持ちは自分が寝る部屋と別にお客を接待する座敷があるんだ。

つまり、2つの部屋をもっているわけさ。

ふむふむ。部屋が1つか2つの違いだな。

その上に、「附廻(つけまわし)」というランクがある。

だけど、後には座敷持ちと同じ意味になったね。

いろいろ分かれてるんだな。

その上が「昼三」(ちゅうさん)さ。

昼の揚げ代が金三分というとこから来てるんだ。

さっき言った「附廻」は、この昼三候補って感じだね。

金は4分で1両だから、3分というのは結構な値段だな。

吉原で昼三と言えば、かなり高級な部類だね。

昼三の上はどうなるんだい?

その上には呼出し昼三、いわゆる「呼び出し」という最高ランクがいるんだ。

ちなみに、誰袖花魁はどのランクなんだい?

あちきは呼び出しさ。

ちゃんと吉原細見に載ってるでありんす。

呼び出し昼三

呼び出しは、なぜ、呼び出しって言われるんだい。

引手茶屋で指名して、呼び出さないといけないからでありんす。

まあ、指名専門と考えたらわかりやすいね。

指名専門か、揚げ代はいくらぐらいになるんだい?

金1両1分でありんす。

ひょえー、1両超えか…

引手茶屋から呼び出したら、来てくれるんだね?

もちろんさ、その道中がいわゆる花魁道中でありんす!

おいらも、花魁道中見たことあるぜ!

あれは、お客のとこに行ってるんだな。

喜多さんは、どこに行ってると思ってたんだい?

いや、散歩がてら、顔見世してるのかと…笑

花魁とは?

あれ?そういや花魁道中の話はあったけど、花魁の話は出てこなかったぜ!

ここまでの話をまとめると、こんな感じだよな。

  新造⇒部屋持ち⇒座敷持ち⇒附廻⇒昼三⇒呼び出し

「花魁」と呼ぶ、ランクが入ってないんだよな…

元々は花魁とは最高ランクの「呼び出し」のことだったんだ。

するってえと、呼び出し=花魁という理解でいいのかい?

いや、それがそうでもないのさ。

なんでだい?

実は、「花魁」という言葉は時代や時と場合によって、わりとアバウトに使われているんだ。

大まかに吉原の高級遊女って感じでね。

へー、知らなかったな。

まあ、昼三以上は花魁って言っても違和感はないよ。

だって、花魁道中が許されていたのは昼三以上だからね。

つまり、昼三+呼び出し=花魁ってことかい?

いや、一般的には呼び出し、昼三、附廻の3つを花魁と呼んだんだ。

…というのが教科書的な正解かな。

後に附廻が座敷持ちと同じになるので、座敷持ちも花魁に含めたりすることもあるね。

ずいぶん、幅があるな~

まあ、少なくとも花魁と呼ばれるのは座敷持ちまでだね。

なるほど。花魁について大体わかったぜ。

吉原の歴史についても、もっと知りたいね。

誰袖花魁は歴史に詳しいのかい?

いや、あちきはあまり得意じゃないね。

どっちかっていうと、松葉屋の瀬川花魁の方が詳しいかもね。

また、あちきから言っておくよ。

ありがてえな。

ちょいと、花魁、いつまで油売ってるつもりだい?

あっ、やばい、やり手のシゲさんだ…

見つかってしまったでありんす。

今日は楽しかったよ。

また、呼んでおくんなし。

こちらこそ、勉強になったよ!

感謝感激でありんす!

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