
2025年のNHK大河ドラマ「べらぼう」では玉屋の遊女、志津山役を東野絢香が演じています。
ここでは、玉屋の志津山について見ていきます。
吉原の玉屋とは
その前に吉原の玉屋について説明します。吉原の玉屋は新吉原の江戸町1丁目にある遊郭でした。代々、主人は玉屋山三郎(さんざぶろう)と名乗りました。
宝暦六年(1756年)以降、高尾太夫を輩出していた大三浦屋が廃絶し、それに代わって、玉屋が吉原の惣名主となりました。
以前、吉原細見は蔦屋が独占的に発行していた時期もありましたが、幕末へと近づく嘉永元年(1848年)年から、玉屋が独占的に担うようになりました。
玉屋山三郎発行の吉原細見 嘉永二年

葛(くず)に見立てられた玉屋の志津山
「べらぼう」の中で蔦屋重三郎が遊女を花に見立てて出した本「一目千本」(ひとめせんぼん)についての話があり、その中で玉屋の志津山が葛(くず)の花に見立てられたという話がありました。
この本は実際、北尾重政の絵で安永三年(1774年)に出版されています。
「一目千本」 北尾重政画

『一目千本』(大阪大学附属図書館所蔵)
出典: 国書データベース,https://doi.org/10.20730/100080738
この中で玉屋の志津山について書かれたのが以下の部分です。
一番左側の絵に、「玉や 志津山」と書かれています。

『一目千本』(大阪大学附属図書館所蔵)
出典: 国書データベース,https://doi.org/10.20730/100080738
実際の葛(くず)の花はこんな感じです。なかなかチャーミングな花ですよね。

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